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Non-24 Hours

24時間ではない世界

非24時間睡眠覚醒症候群

私たちの生活において、概日時計の機能が顕著に表れる生理機能は睡眠です。

ヒトの睡眠障害のうち、概日時計の異常に起因する睡眠障害を、概日リズム性睡眠障害と言います。非24時間睡眠覚醒症候群 (Non-24)という疾患は非常に重篤で、起床時間が1日毎に30分から1時間ずつ遅れていくという症状を示します。本疾患の多くは、盲目の患者さんであることから、概日時計が上手く外部環境の光情報を受け取れない事に起因すると考えられています。

つまり、24時間の環境サイクルに対して、概日時計が24時間よりも長い独自の周期で自由継続 (フリーラン)することで、本疾患が発症することになります。稀な例ではあるのですが、Non-24は、視覚機能が正常な場合にも発症することがあります。

この原因は不明なのですが、やはり概日時計の同調機能に障害が起きていると考えられています。私たちの研究室では、カリフォルニアマウスというげっ歯類において、Non-24に類似した表現型を示す変異体を用いて解析しています。明暗サイクルでも概日時計がフリーランすることから、フリーランナー (Free runner)変異体と呼んでいます。この変異体を用いた遺伝子解析から、ヒトのNon-24の病態を理解し、概日リズム性睡眠障害に対する治療法開発を目指しています。


 

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